コラボって?@飯田人形劇フェスタ
今年の夏のフェスめぐり。
東京の出会いのフォーラムの翌日は、
初参加の日本最大級のいいだ人形劇フェスタ。
ひえ〜ほんとに大規模!!
前乗り当日公演して即帰りというスケジュールだったので、
入った日に飲み会を諦めて一本、
当日のリハ最中に私は抜けて一本
と強行で観ました。どちらも海外作品。
3日夜は、日本の栗コーダーカルテットとラオスの人形劇「シアターカオニャオ」のコラボ。
前座の、ましゅ&kei&あさぬまちづこさんの、一枚の布を人形に見立てるパフォーマンスにしょっぱなから感激。
布が、本当に生きている。そしてちょっと人形浄瑠璃みたい。
立派な作り物をしなくても、人の力で命を吹き込める事と、それを挑戦していることに、ほんとに感動。そりゃ本編への期待が高まる。
で、ラオスの人形劇。
天然のもの(ああ、南国だな!って思う実とか)でできてる人形がキモかわいくて、操る人たちもキュートで、微笑ましい。音楽もいいな〜
これはきっと、キレイな照明の当たる大ホールじゃなくて、飲みながら、野外や小さな会場で、余暇として楽しむものなんだろうなあ〜
つき詰めていく芸術じゃなくて、ゆるんでいく芸。
後半は栗コーダーカルテットの演奏。ビューティフルハミングバードが加わるバージョンで、メンバーが変わっていたけれど、以前観た時と変わらない淡々とした進行と演奏。それが面白さなのです。
でも、なんだか気持ちが盛り上がらないのは、前半の人形劇が面白かったからか。
メディアに流れている曲を中心としたラインナップに、前半との乖離を感じてしまった。
そして期待のラオスの人形劇と栗コーダーのコラボ。
栗コーダーレパートリーの曲を演奏している前で、これまたラオスレパートリーの人形劇をやる。
ん???これはコラボか?
間合いの調節で即興的な部分はあるけれど、絡む訳でもなく、空気を読み合う訳でもなく、
そもそも、二つのグループで一緒に作っているわけでもなく。
最後の演目は、絶対バックを黒で観た方が人形が浮き上がるのに、後ろにバンドがいるので見にくいし。
なんだか数時間のリハと打ち合わせで合わせましたみたいな内容でした。
前座が、これが飯田のフェスティバルか〜とテンションがあがるような創作だったので、ちょっとがっかり。
それぞれのクオリティは確かに高くても、一緒にやるやり方次第で面白さは2倍にも3倍にもなり、逆に半減もする。そのことのこわさを観るステージでした。
翌日4日はドイツの人形劇。ステファン・ブリンの寄席人形劇場。
おそらく路上でもやられているような、あやつり人形。
ドイツ語はわからないけれど、いろんなパフォーマー(人形)がいろんな特技を披露するシリーズ。
フラメンコ、スケート、バイオリン演奏、などなど、やる人形が次々と出てくる。
人形の精巧な造りには感動。淡々と進む同じパターンには苦笑。
でも上品で、理屈抜きに「わ〜美しい!!」と感じる動きの瞬間があって、
その瞬間が観られるだけで、しみじみ感動するのだよなあと思う。
海外作品が見られるのはうれしい。
それが面白くてもそうじゃなくても、日本人と違うセンスや文化を感じる。
この2作品を観て、私が思ったのは、改めて「日本の伝統の人形劇がみたい」ということ。
特別興味の湧かなかったものに視点が当たることが、フェスでいろいろ観る醍醐味かもしれないな。
あと、コラボってなに?ということについては、このツアー中ずっと、悶々と考える事になりました(笑)
それにしても、飯田のフェスタ、素敵だったな。
各所に、桃や茹でとうもろこしやおにぎりが格安で売っていて、お漬け物とお茶は用意されていて、
これが抜群に美味しい。
各会場を渡すシャトルバスも走っているらしい。
もちろん素晴らしい働きのボランティアスタッフたち。
市をあげて盛り上げていることも、各所にいるワイシャツ姿の人たちから察しました。
行政と市民が一緒に作っている、素敵な風景でした。