ブックレビュー

「海をあげる」から渡されたバトン エッセイ

「海をあげる」から渡されたバトン

筑摩書房「海をあげる」上間陽子  なんとも優しいタイトルだ。青が基調の装丁、ページをめくるとおだやかな目次がならぶ。ゆとりのある文字組みで、幼い娘さんの微笑ましいエピソードから始まる。そのソフトさからは、ほっこりとおだやかな日常エッセイが始まるように思われるが、私はわずか20ページで涙が止まらなくな…
500字書評:人新世の『資本論』 エッセイ

500字書評:人新世の『資本論』

「資本主義はもう終わる」と半ば直感的に感じたのは2017年頃。 小さくて有機的なコミュニティが同時多発的に増える一方、拝金主義も跋扈して、その断絶に愕然としていた頃だ。 私より10年若い斎藤幸平さんのこの本は、緻密なマルクス研究の上に立ち、真っ直ぐに資本主義を「終了宣言」させている。見事な説得力。 …
500字書評「仕事の話」 ブックレビュー

500字書評「仕事の話」

普段、本は電車の中で読む。ひとやすみのカフェで読むこともある。東京に行って帰ってくるあいだに一冊読み終えるのがいつものペース。 だが、都内に出ることも電車に乗ることも控える今、私はこの本を家で読んだ。布団の中やお風呂の中で。部屋の中で陽が落ちて薄暗くなるのにも気付かずに読んだ。何日もかけて、ゆっくり…
1億円がなんだ。「芸術起業論」 エッセイ

1億円がなんだ。「芸術起業論」

お初の村上隆さんの本「芸術起業論」 芸術起業論 (幻冬舎文庫)www.amazon.co.jp 583円(2019月01月20日 22:46時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 美術でも音楽でも舞台でも文学でも、「芸術」で括られる世界の「食べていく問題」は本当に切実。その世界を…
センスの違い痛感「コンテンツの秘密」を読んで ブックレビュー

センスの違い痛感「コンテンツの秘密」を読んで

川上量生「コンテンツの秘密」を読む。 鈴木敏夫さんの本が好きなので、「ジブリの仲間たち」を読んで、 その中に川上さんがプロデューサー見習いで入ったという記述を読み、 アナザーストーリー的に手に取った本でした。 ん〜、私にはどうにもつまらなくて… なんだか、人の言葉の分析だけで終わってる感じ。 「〜ら…
方法ありきじゃなく、想いありき「広報の仕掛け人たち」 ブックレビュー

方法ありきじゃなく、想いありき「広報の仕掛け人たち」

こういういかにも、な本はあまり読まないのですが、 広報のノウハウものではなくて、制作の裏側のストーリー。 現場(会社や行政)の担当者、またPRを担当した会社の担当者相互の取材で進んでいくので、 それはそれで面白く読みました。 ユニークなPRとその苦労話が数々紹介されていて、 電通と組んだスタバの期間…
「なぜアーティストは生きづらいのか?」 ブックレビュー

「なぜアーティストは生きづらいのか?」

この本を勧められて今読んでいます。 なんか、身のまわりに、思い当たるアーティストが片手じゃおさまらない… 常々対応してきた人には超基本!な内容かもですが、わかりやすいので、本人や、身の回りの人が読んでおいて損はない。 人としてダメなやつ。 と言われたって、その人の作る音楽(その他のアート)が素晴らし…