ブックレビュー 2 12月 2021 「海をあげる」から渡されたバトン 筑摩書房「海をあげる」上間陽子 なんとも優しいタイトルだ。青が基調の装丁、ページをめくるとおだやかな目次がならぶ。ゆとりのある文字組みで、幼い娘さんの微笑ましいエピソードから始まる。そのソフトさからは、ほっこりとおだやかな日常エッセイが始まるように思われるが、私はわずか20ページで涙が止まらなくな… 続きを読む
エッセイ 17 4月 2021 500字書評:人新世の『資本論』 「資本主義はもう終わる」と半ば直感的に感じたのは2017年頃。 小さくて有機的なコミュニティが同時多発的に増える一方、拝金主義も跋扈して、その断絶に愕然としていた頃だ。 私より10年若い斎藤幸平さんのこの本は、緻密なマルクス研究の上に立ち、真っ直ぐに資本主義を「終了宣言」させている。見事な説得力。 … 続きを読む
ブックレビュー 21 1月 2021 500字書評「仕事の話」 普段、本は電車の中で読む。ひとやすみのカフェで読むこともある。東京に行って帰ってくるあいだに一冊読み終えるのがいつものペース。 だが、都内に出ることも電車に乗ることも控える今、私はこの本を家で読んだ。布団の中やお風呂の中で。部屋の中で陽が落ちて薄暗くなるのにも気付かずに読んだ。何日もかけて、ゆっくり… 続きを読む
エッセイ 25 1月 2019 「丁寧な暮らし」ってなんぞやと、松浦弥太郎を読む ナチュラリスト系の記事を読むと近頃非常によく出てくる松浦弥太郎さんという名前。一度はちゃんと著作を読んでみたいなと思い、長めの移動の一日、つい2冊買ってしまいました。 いつもの毎日。www.amazon.co.jp 1,404円(2019月01月25日 01:22時点 詳しくはこちら) Amazon… 続きを読む
エッセイ 20 1月 2019 1億円がなんだ。「芸術起業論」 お初の村上隆さんの本「芸術起業論」 芸術起業論 (幻冬舎文庫)www.amazon.co.jp 583円(2019月01月20日 22:46時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 美術でも音楽でも舞台でも文学でも、「芸術」で括られる世界の「食べていく問題」は本当に切実。その世界を… 続きを読む
エッセイ 17 1月 2019 文章は、誰でも書けるからこそ「職業としての小説家」 村上春樹の「職業としての小説家」 職業としての小説家 (新潮文庫)www.amazon.co.jp 680円(2019月01月17日 21:32時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する あー久々に読むこんなに読みやすい文章!丁寧で、語弊が生まれないようにきっちりと正確さを期す文章、… 続きを読む
エッセイ 14 1月 2019 推理小説みたいな「フェルマーの最終定理」 フェルマーの最終定理 (新潮文庫)www.amazon.co.jp 853円(2019月01月14日 21:15時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する いやー面白かった!って高校数学1で7点とか取ってた私が偉そうに言うことじゃありませんが、たまたま手にとったこの本。「かえる文庫」… 続きを読む
ブックレビュー 5 11月 2016 センスの違い痛感「コンテンツの秘密」を読んで 川上量生「コンテンツの秘密」を読む。 鈴木敏夫さんの本が好きなので、「ジブリの仲間たち」を読んで、 その中に川上さんがプロデューサー見習いで入ったという記述を読み、 アナザーストーリー的に手に取った本でした。 ん〜、私にはどうにもつまらなくて… なんだか、人の言葉の分析だけで終わってる感じ。 「〜ら… 続きを読む
ブックレビュー 8 6月 2016 方法ありきじゃなく、想いありき「広報の仕掛け人たち」 こういういかにも、な本はあまり読まないのですが、 広報のノウハウものではなくて、制作の裏側のストーリー。 現場(会社や行政)の担当者、またPRを担当した会社の担当者相互の取材で進んでいくので、 それはそれで面白く読みました。 ユニークなPRとその苦労話が数々紹介されていて、 電通と組んだスタバの期間… 続きを読む
ブックレビュー 18 5月 2016 「なぜアーティストは生きづらいのか?」 この本を勧められて今読んでいます。 なんか、身のまわりに、思い当たるアーティストが片手じゃおさまらない… 常々対応してきた人には超基本!な内容かもですが、わかりやすいので、本人や、身の回りの人が読んでおいて損はない。 人としてダメなやつ。 と言われたって、その人の作る音楽(その他のアート)が素晴らし… 続きを読む