豊かに実りはじめた出会いのフォーラム初日レポ

東京代々木で、毎年開かれている子どものための舞台の祭典。
出会いのフォーラム
数年前に観たとき、なんとなくちょっとしょんぼりしたイベントだったのが(失礼!)、
この2年くらいで印象激変!
若者スタッフが大活躍し、遊び心が随所に。
ああ、イベントを続けるって、いろんな段階があるんだな。
今までうまくいってた事が、そうでもなくなったとき、
次の変化をうまく生み出せるかどうか。
ついついそんな、半分創る側の見方をしてしまう、関係者が多数出たり関わったりしているイベントなのでした(笑)

7月28日の初日に一挙5作品観た。(そのうちの1作品はショーケースだから、複数の団体を短時間で見る!)一言ずつレポ

くわえパペットステージ「みにくいあひるのこ他」
原作ありのみにくいあひるのこを凌駕する、後半のオリジナル短編の見事さ!
言葉がなくて、出てくるのは動物語だけ。なのに(だからか)言葉をしゃべる前の子どもですら、物語を先読みして笑ってる。あの笑い声が全て。

みずのえ「ガラクタに咲いた花」〜山口とも+重松壮一郎〜
廃品打楽器のともさんと、即興ピアノの重松さん。キャラが全然ちがうけど、合うのかな?と思ったけれど、二人とも即興人だから、お互いをよく聴いている!
でも、もうちょっと子どもの好奇心に寄り添った構成にしてもいいんじゃないかなとか、音がちょっと(特にピアノが)多過ぎて、「間」のある音楽を味わいたかったなと思う。

イッツフォーリーズ「小さい”つ”が消えた日」
ああ!久しぶりにオーソドックスなミュージカルを観た。これはやっぱり歌と踊りがカタルシス。
なので、やっぱり人形遣うのが、抵抗あり。人形って、プロが遣うと生きて動き出す。でも役者はそれは出来ない。(当たり前)
違うジャンルを取り入れるのがいけないのではなく(取り入れるならきちんと教わるべき)、彼らの誇るべき歌声と身体性こそにお客は感動するのだということ。
あと、日本語を語る少年が「ステファノ」ってなんで?

バーバラ村田「ムーランルージュ劇場」
世界観、好きだ〜!と始まった瞬間思った。大道芸と舞台作品の中間。
おそらくどこで観たとしても、周りの雑音を、す〜っと消すようなバーバラさんの集中力。引き込まれるし、素敵な間も持っている。(「間」はアーティストの財産だと思う)
構成や音楽(カバーが多かった印象がもったいなく)にはちょっと疑問はありつつも、別の世界に旅したような時差ぼけを感じた終演後。こういう気持ちになるのが、舞台の醍醐味。

ショーケースは途中から観たり、途中で抜けたり、そもそもフル作品を20分に縮める無茶ぶり(でも堪能!)なので、個々の感想は言えず。
けど、ここにどれだけ多様なものを揃えられるかが、舞台芸術を作る側と企画する側の役割の一つだなと思った。コンテンポラリーとか、和物とか、海外ものとかも、あるだけで意味わからなくても、きっと価値観が変わる気がする、と最後のコンゴ人グループ「リンゴマ」を観て(それをポカーンと観てる子ども達を見て)感じました。
もちろん、全体プログラムでは伝統芸能あり、多様な舞台があるのだけれど、「興味がなくてもいっぺんに目に入る」環境もまた、大事かなーと思ったりします。

さ、刺激を受けて、私もたゆまず自分の仕事を!