「うまい」ということ@バンバンバザールライブ

先週、バンバンバザールのレコ発ライブを見に、久々の南青山マンダラへ。

このところ、気持ちがやさぐれていて(笑)
めずらしく、元気が欲しくてライブへ出かけました。

バンバンバザール福島康之さん、黒川修さんをサポートするのは
ドラム   大澤公則
ギター各種 高木克(ソウル・フラワー・ユニオン)
ピアノ  Fuming
この編成で観るのは初めて。

最初の音から、うわ~~うまいなあ~~~!と思う。
目の前が明るく開けていくような、「うまさ」
うまい下手って、音楽そのものには関係ないと言われがちだけど、
安心して楽しむためには絶対必要だと思う。

その「うまさ」って技術もそうだけれど、「その場に生まれるコト(音)に寄り添っているか」かどうかがすごく大きくて、彼らは、今、本当にライブに生きているのだなと思いました。
逆に、全員に「ライブに生きる覚悟」みたいなものが自然と肩肘張らずにあるからこそ身につくのが「技術」でもあるのだと思います。

バンバンバザールって、ノリが良くて元気いっぱいみたいなサウンドだけど、
個人的には、相当繊細で前向きストレートなだけには思えない多層性があるように思えて、
その複雑さもひっくるめてサポートメンバーが大きく包んで支えてる感じ。
一時のサポートではない、「一座感」がたまらない。

新曲たちのみずみずしさもさることながら、後半のたたみかけはいつも圧巻で、
このテンポ感、このスピード感、なんかちゃんと「現場」だなあ、と思ってしみじみエネルギー満ちて帰ってくる事ができました。

このところ別の現場でずっと感じていた、
「レベルとクオリティは別物」
ということをはっきり思いました。

一流とか、本物とか、レベルが高いとか、メジャーとか、文化芸能がそういう文脈で語られる(同業者でさえも無自覚に)ことに嫌気がさしていて、気づいた。

どんなに世界レベルの一流の本物のアーティストを集めても、クオリティが低い作品は多々生まれる。(世界中の残念な映画達のように笑)

無名でもニセモノでも三流でも(笑)、丁寧に作り込んだクオリティの高い物も生まれ得る。

自分がどこに立脚して、何を作っていくのか、結局作品には如実に出てしまう。

「レベル」という誰かと誰かを比べる概念を外したところに本来音楽はあって、
それを超えてクオリティを追求するときに、何に対して誠実になるかといったら、
本当は仲間でもお客様ですらなくて、
音楽そのものに対して誠実になれるかということだと思う。

彼らのクオリティの高さは、やっぱり音楽そのものへの誠実さ、敬意から生まれる一本の太い芯が全員に見えることにあって、
ライブを観るというのは、「お客として自分に何かをしてもらう」ことじゃなくて、客席からその芯を見たときに美しいと感じて、みずから心が動くのだということ。
そんなことを改めて確信したライブでした。

新譜は物悲しくて愛おしい。

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