これが人生だ。どくんごのテント芝居「愛より速く」

旅をしながらテント芝居をする劇団どくんご飯能公演。
「愛より速く」
毎年のように知人友人固定ファンが観に行っているのを知ってたけど、
なぜかいつも飯能公演は、私が旅だよ状態。(地方でどくんごポスターを何度見たことか)
今年はようやく日程が合いました!

神社の境内にボロい(すみません)テントを立てて、そこにみんながぎゅぎゅっと集まるスタイル。
常連はすでに缶ビールぷしゅってやってる。たまらん。
開演時間になってからぞろぞろマイペースに集まる人たち。

中身は歌あり楽器あり、語りあり踊りありのオムニバスで、特にあらすじがあるわけではない。
テントで見る非日常感にワクワクしつつも、あまりにナンセンスで、
最初は見方がわからなくて迷子になりかけてたのですが、

・・・この人たち、うまい。

声量も距離感も動きも、音も明かりも、野放図に見えて緻密で巧みじゃないか。
下品に見えても、ちゃんと品がある。
場面ごとに幕をうまく使い、時にはその幕を取り払った先のはるか外まで舞台の奥行きになる。
観ている世界が伸びたり縮んだりというのが自由自在。
テントじゃなきゃできない芝居。

でもって、意味わからないながらも観続けているとある時突然、これは「詩」みたいなもんなんだな、と思いつく。

言葉と音と光と体と、そしてその「場」と、全部使って詠う詩。

そう思えば、意味を追いかけることもなく、そこに身を委ねることができて楽に楽しくなった。

好き嫌いはあるだろうが、「これが人生だ。」と正々堂々と詠われて、
「そうですよね」と肯定しかできなかったよ。
置いてきぼりにされたり救われたり突き放されたりの連続が、実に痛快でした。