もはや伝統芸能な鬼太郎。人形劇団ひとみ座
夏の会議で、ずっと一緒のチームでプレゼンを聴いていた人形劇団ひとみ座。
そのプレゼンにすっかり感化され、これは是非ともしっかり観たいと思っていたのだけれど、
スケジュールが合わず、今観られるのが、「ゲゲゲの鬼太郎」‥うーん、夏休みっぽい(笑)
興味は、正直あんまりないけど、観てきましたよ。
でも、家族で来ている隣の5歳くらいの男の子が
「きったろう、たーのしみ、たのしっみだぁー!」
とデタラメ歌をずっと歌ってて、待ってる私もなんかちょっと楽しみになっちゃった。
おなじみの鬼太郎の生まれたストーリーと、
沖縄での妖怪退治。
典型的夏休み家族観劇イベント的な内容ではあったけれど、
あの人形の丁寧な動きには、素直に感動。
操ってるのは一反木綿とか砂かけばばあとかでも、
なんだか伝統芸能に見えてきて、一つの動きのために最大3人がかりで演じる、その確かな技術に感嘆。
妖怪退治というオーソドックスな展開、
ちょっと観念的だし、説明も多いけれど、
感じたのは、誠実に作ってきたのだなということ。
過剰な子どもサービスはせず、ストーリーの中に都度織り込まれる平和への思想。
それは水木しげるさんが込めたものを、劇団が受け取っているということ。
近くにいた小学生女子は、今人形を誰が、何人で動かしているのかをずっとお母さんにお話ししていて、
そこも興味あるよね。と嬉しくなる。
一方、人が動かしていることは子どももわかっているのに、なおも「きたろーう!」と呼びかけ、手を振り、この人形たちを生きる者として受け止めている小さな子どもたち。
子どもが家族で舞台を見る景色って、本当になんて幸せな場面だろうか。
と、ほとんど観劇以外の部分にウルウルしつつ、これを作っているのが、
ひとみ座なんだなと思う。
特別生の舞台を観る習慣がないその日限りの家族でも、ちゃんと楽しかったと思える舞台。
メディアを通して一人歩きしているキャラクターに、アナログな形で会える舞台。
それでも商業的な部分とギリギリのバランスで、志が見える、
こういう役割もあるのだと、
オリジナルにこだわる自分には、ある意味新鮮な体験でありました。
うん、でもやっぱり次はがっつりと大人の人形劇を観たい!