音楽のありか

ここ最近クラシックばかり聴いている。
というのも、10月にあるピアノイベントのディレクションをしているからなのだ。

クラシックピアニストわたなべよし実の愛器1938年製Steinway&sonsを会場に持ち込んで、
3日間に渡り、日替わり5プログラムを上演するという、なんとも贅沢なイベント。

ピアノパラダイス2012

主催者のよし実さん、かなり昔に制作協力をしたことがあるのだが、実はそのときはどうも相容れなかった。
彼女の音楽は私には違和感があり、「好きなものしか手伝わない!」とかたくなになっていた私は、そのまま疎遠になった。

昨年から交流が復活し、今年の始めに彼女が私に言うのは、なんと制作じゃなくディレクションをしてほしいということ。

私と好みが違うのも知ってて、クラシック専門外なのも知ってて、依頼するその無謀さ!
そして、引き受ける私も私…

なんだかね、好きなものばかりやっていては分からない事があるんじゃないかなーと、直感したのでした。

一緒に飲んだりしゃべったり、同じ舞台を観に行ったりするようになって、一緒にリハーサルをするようになって、違和感の原因はかなり明確に見えてきた。
好きなものを擦り合せるとか、どちらかの好みに合わせるとかではなく、
本来目指すのがどんな音楽なのか、そこをずいぶん話した。

クラシックが分からないと思ってたけど、全然そんなこともなかった。

楽譜に書いてある音、書いてない間、技術、感情、生活、考え方の癖。
全部が追求の対象となって、結局、ディレクションなんて大仰な事というより、共に音楽のありかを探す旅のようになっている。

深くてどこまでもおもしろい音楽の旅。

その旅の軌跡、見て頂けたら嬉しいです。

あ、彼女はかなり面白い感性を持った良きプロデューサーでもあり、
その感覚で選んだ共演者が入れ替わり立ち替わり登場するのも、なかなか面白い。
クラシックピアニストとジャズピアニストの競演とか、調律師のトークショーとか、ギタリスト、ダンサーとのアンサンブルとか、通常のコンサートでは観られない演目が目白押し。
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