お盆の贅沢

お盆休みを使って、都内おでかけ。といっても舞台目的ですが。
しかし、他にお金と時間を使いたい訳ではない私には、一番の贅沢です。

別枠に細かくレポートを書いた「坂本龍一プロデュース ロハスクラシック」の他を記録。

劇ではないが、版画家 名嘉睦稔さんの版画展。
沖縄から帰ってきた直後に雑誌で彼の版画を初めて見て、「わあっ私の見て来た沖縄!」と思ったのがすごく印象的で。
でもやっぱり原画の迫力ははるかに違う。
目の前いっぱいに広がる絵をみたら泣きそうになった。
彼の版画の中で、いくつも描かれている構図の中に、「防風林の隙間から覗く海と、そこにぽつんと浮かぶ船や、ぽつんと歩く人」というようなのがあるのだが、これが、多分彼の原風景だし、私の沖縄の原風景だという感じがすごくした。
強烈な光を表すための強烈な影。太陽と森の持つ力の混沌。
沖縄のあの、甘ったるくてねばっこい熱い風が吹いてくるような空間だった。
今は森がテーマで、来週あたりから海がテーマになるらしいので、もう一度行きたい。
明治神宮でやってます。

ゆうたライブ「十年十色」
私が仕事を抜きでファンだと公言出来る数少ないシンガーソングライター。
久々にたっぷりオリジナルの世界だけを堪能。
本当に清く正しくオリジナルを歌っている。
かなりリベラルに過激にものを歌うのであるが、彼が魂からそう思っているので、けしてきれいごとにも政治的にも聴こえず、ほんとうにそうだ、と感じることができる。
彼の妹で、私が知る中で最も日本人ばなれした橋本ちよちゃんもエネルギーを増しているし、「ゆうたなおこ」も、お互いの信頼感が音楽を通して伝わってくる。
バンドも、彼のエネルギーに負けることのない温度があった。
十分十色を楽しんだ。
でも一番心打たれたのは、彼が目標として言った言葉、
「一人で生まれて一人で死ぬまでは、誰も殺さず誰にも殺されず、みんなと生きる」
という言葉でした。
終戦の日に。

その他、骨董品展や、古本市もめぐる。
古い物がどんどん好きになる。つまりは手間のかかるものがどんどん増えるということ。
昭和より古いものが今も山と存在していて、それらが、もしかしたら作られた新品当初より「良くなっている」という奇跡!
当たり前に手荒く使われてもきただろうに、それがプラスに変わる奇跡。
プラスティックだったら、古くなったらみすぼらしくなるだけなのに。
何のてらいもなく、生活の為に作られた潔さも無骨さも、また美しかった。
美しいということの本質を、古い物が教えてくれることは多い。
しかし、その一角を出て普通の今のお店を通り過ぎたら、何も美しく見えなくてそれはそれで困った。


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