空中庭園 (文春文庫)
角田 光代 / / 文藝春秋

「対岸の彼女」に続き、角田さん二冊目。
でも、この作品は苦手でした。
重い。この作品は、というより、「対岸の彼女」でちょっと気になっていたこの人の業というか、妙な偏りがぐわっと出ていて。（空中庭園の方が古いから？）
自分と、自分とは違う人間をを受け入れようとして受け入れられない、愛そうとして愛せない、そういう感じの印象を受けるのだな。
その葛藤をそのまま本にされてる感じがするのだな。

そこに無茶でもなんでも突き抜けた到達点があると、作品として救いがあるのだが、迷いの最中を描かれてしまうと、そこに共鳴して、読む人も迷い込んでしまう気がする。
言葉は分りやすいし、入りやすいのに、饒舌すぎてちょっと怖い。

多分、こういうのは、作者の意図よりも自分が投影されるから自分がそうなのかも、とも思うが。
なんだろうな。わからないな。
後味がよくなかったことは、確か。

Tweet