7月の舞台その2

7月最後にあった自分たち企画のライブ。

今回、初めて頼んだ舞台スタッフがいる。
いつも信頼して頼んでいる人が今回日程がダメだと分かり、仕事の相方と私は「あいつがいいんじゃないか」と同時に同じ人を思い浮かべた。

子ども劇団で出会った20歳の若者。
でも、とてもいい奴だけどいろいろ問題もあるし、何より若すぎて経験がなさそうだし、関係者各位に失礼もありそうだし、誤解を受けそうな奴だし・・・とりあえず心配事には事欠かない個性的な奴・・・「もうちょっとしっかりしたら頼もうか」と、一度はその案を却下したのだが、よく考えると、その理由は後付けだ。
大事なのは、同時に同じ人が浮かんだという、その直感じゃないのか。

と思いなおし、初めてスタッフをお願いすることにした。
スタッフ選びって本当に難しいのだ。本番は誰でもぴりぴりするし、1から10まで全て教えられないし、何よりたたずまいが、とてつもなく重要。
だから、やはり安全で安心な「いつものメンバー」というのに頼りがちになる。

でも、出演者達は大ベテランだから、たとえ若者の失敗も失礼も、きっとフォローできる。
そして、子ども劇団でのその若者のふるまいを信じたら大丈夫。
小さな子ども達に順番にメイクをしてやっていた彼、打ち上げで涙して感謝を述べた彼。
不安材料を挙げてやめるより、最初の直感に従った方が、たとえ失敗しても後悔しない。

その直感は大いに当たった。
彼の頑張りは素晴らしかったし、完全に黒子に徹して見えない所で地味に動き続け、さわやかな笑顔で皆に接し、本番は誰よりも大きな拍手を出演者に送っていた。
まっすぐに舞台を愛している。
もちろんベテラン陣が小さなフォローをたくさんしたのを含めても、
出演者のみならず、お客さんにまで「とてもよくしてもらった」と言わしめた彼。

ああ、信じてよかった。
直感というのは、こういうとき、後付けの理由に振り回されない為に、使うのだなと思った。
相手を信じる力にするために、直感を使う。

もちろん舞台という責任がある以上、あらゆる事態を想定して、予防線を張り、対策を練る事は重要。
でも最後の最後、頭じゃなく、心が動く方向にいかなくちゃ、きっとお客さんもそうはなれない。
情報に惑わされず、その直感をを貫けるか、決断できるか。
きっとこれからますますそれが問われる。
夢として持つ大掛かりな舞台をやりたいと思えば思う程。

今のうちに。小さな決断を積み重ねたい。信じるレッスンを繰り返したい。


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