忘れられない舞台
楽しみにしていた舞台。
観に行ったのは、藤野キッズシアター&劇団Don’t mind
彼らとは一昨年から二年間、一緒に舞台を作った。今回はお客さん。
キッズシアターは小学生が中心、彼らのピュアな芝居には毎回心打たれたり「子どもがここまでできるとは!」とびっくりする。
彼らはちゃんと「演技」をしているのだ。遊びの延長のようにのびのびと。
みんな、そこに思わず笑顔になってしまう、素敵な劇団。
ファンが多いし、ご他聞にもれず、私もとにかく彼らが大好き!
あの邪心のない歌声は、泣けてしまう。
そして劇団Don’ mindは、その卒業生達が昨年立ち上げた劇団。
といってもメンバーは中学生から20歳。
昨年はシモシュを監修に、初めて完全オリジナル舞台を創った。
今年は、「全部自分たちでやる!」と宣言し、心配する父母を振り切った。
私たちは、絶対できると思っていたので、心配一切なし!
だって、シモシュも私もそれぞれ別の場所で、10代の頃から舞台を創ってきた。
彼らにも出来る。それは確信だった。
しかしねえ、あそこまでやられるとは思いませんでしたわ…
メンバーが全員で物語を作り、全員で演出し合って出来たのは、まるでドキュメンタリーのような舞台。
中学生の主人公がですよ。事実である4年前の肉親の死を題材にし、人間関係に悩み、自分を見つけ出すまでの物語を、自分たちで作り、演じるのです。
正直すぎて痛くなる程の叫びを、照れる事無く、人の目も気にせず、等身大でぶつける。
あまりに切実でリアルなシーンの数々、そして若者らしいギャグセンス、会場はお世辞でなく泣き笑い。
後から聞けば、その芝居のクライマックスは、本番直前に起こった本当のぶつかり合いがそのままストーリーになっているということ。
こんな芝居は、どんなプロにも書けないし、演じられない。
沢山の舞台を見てきた中でも、特別忘れられない舞台になった。
もし、私が彼らと関わっていなくても、初めて見たとしても、やはり衝撃を受けると思う。
物語は荒削りだし、突っ込みどころもいっぱいあるけれど、彼らは、舞台を創る責任や、メンバーの肉親の死も、重い現実や個々の悩みも全て、全員で引き受けた結果、この作品になったのだという事がよくわかった。
年上が年下を指導するのではなく、自分の考えを全員が出した結果だということも、よくわかった。
傷を沢山持つメンバーの誰も蹴落とさず、誰も見下さず、彼らは彼らにしかできない作品を作った。
いや、こんなに勇気をもらえるとはおもわなかった。
お近くの方は、行ってみて下さい。
3月28日(日)キッズシアター 13:30~ /劇団Don’t mind 15:30~
入場無料 予約不要
藤野芸術の家 クリエイションホール