「今時の若者は」って言い始めた私たち

年明け、高校時代の友人と会いました。
いや、正確には高校時代に少しの間付き合っていて、今は良き友人となっている人に会いました、だな。
数年に一度は顔を合わせていたけれど、ゆっくり会うのは本当にひさしぶり。
あの頃のキュンとした気持ちはもうすっかりなくなって、ただただお互いの恥ずかしき10代を知る貴重な生き証人(笑)

あのころからもう25年が経って。
私たちは見事におじさんとおばさんで。
日本酒片手に飲みながら熱く語ることは、
「どう若手を育てていくか!」

もう笑っちゃうよ。
自分たちが、どうやって若手にチャンスを与え、仕事のフォーマットを教え、次につないでいけるかを考えてるなんて。

幸いにして、お互いに「今時の若者は」って言った後に続くのは、
「意外に面白いよね」って言葉だったりして、
全然共通点のない仕事について、全然お互いやってることもわからないのに、本質を同じように捉えていて嬉しかった。

若者にチャンスをあげたい、中心に立って仕事をしてほしい。
自分たちの世代にできなかった世界を作ってほしい。

そんなことを心底言う日が来るなんて、
私も大人になったものだ。
私たち、大人になったんだね。

彼と出会った頃、16歳だった私は、大人になんてなりたくなかった。
大人の言葉なんて何一つ信用できないと思っていた。
このまま、時が止まればいいと思っていた。

本当に繊細すぎて、いろんなことに傷ついたり喜んだり忙しくてめんどくさかった16歳。
その頃のいろんな感情を、もうリアルには思い出すことができない。
そんな頃もあったなあと、眩しく思うだけ。
いろんな事がいい具合に適当になって鈍くなって、したたかにたくましくなって、あの時、時が止まらなくてよかったと今は思う。

おじさんになった彼の後ろ姿を見送りながら、
次は何年後、何を語るのだろうと思った。

今日の日を懐かしく思い浮かべて、さらに「大人になったものだ」と思う日も来るのだろうか。

※noteのお題「大人になったものだ」のテーマで書きました。
お題の与えられるエッセイは、自分の引き出しをあちこちあけるので、面白いです。


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