幕が上がった
今回の舞台の幕を上げるまでは、本当に怖かった。
こんな思いをしたことはなかった。
いつでも舞台はうきうきして、幸せで、辛くてもやっぱり大好きで、迷いはなかったのに、
今回ばかりは迷った。
中止はしないまでも延期は、とか、公演回数を減らしてとか、小さな対策をあれこれ考えた。
本当に地震や停電が起きたとき、私はお客さんを守れるのか考えた。
怖くて怖くて、地震と同じくらい、恐怖だしストレスだった(笑)
ただ、どうしてもやりたかったのは、地震で自分の心が傷ついていたから。
身近な人たちがしんどそうだったから。
被災地の人を励まそうとか考えた事はないし、逆に「今舞台なんて不謹慎」なんて、誰に言われてもちっともそう思えなかったけれど、身近な人たちがしんどくなってるのは、どうしても何とかしたかった。
非力な私の力ではなく、舞台を創ってきた仲間の強い思いで、昨日無事幕は上がった。
「断られまくりだよ」なんてみんな言ってたけど、出演者の役者仲間はみんな観に来てくれて、
ロビーで立ち話をしている。
ー震災時に公演をしていたこと、中止を決断したときのこと、仕事ががんがんキャンセルになってること。でもみんな無事でよかった。ああ、ここで会えてよかった
幕があいてほんとによかったー
ざわざわとロビーのおしゃべりから聞こえてくる言葉達。
幕を上げる事が不謹慎でも、被災者の役に立たなくても、無意味じゃない。
…先日の藤野のチャリティーイベントで、
高校生の女の子は、震災で感じた事をこう歌った。
「わたしがにこってすれば あなたもにこってするでしょう
だからまずわたしからにこってしましょう。
負の連鎖は私から止めましょう」
福島から来た被災者の方は、「これを贈ります」といって
とびきり陽気なひょっとこ踊りを披露した。
今回の舞台と、つながってゆく。
役に立つかどうかとか、道徳的かどうかなんてどうでもよくて、
一人一人のまっすぐな表現は、+の連鎖を生み出す事もできるんだなと、
この数日で感じた。
まだまだ予断は許さないけれど、私はしばらく、ただただ幸せな気持ちで、
劇場にいる予定です。
誰のためにとか何の為にとかじゃなくて。
ふくふくや「ずんばらりん。」
駅前劇場で4月6日まで。
http://fukufukuya.net/