文は顔。本の著者に会いに行く

私は、言葉は人だと思っている。
とにかく過剰に言葉の力を信じている私は、短絡的だろうが決めつけといわれようが
文章から受ける人となりや相性を、すごく大事にしてきた。

自分の事は棚に上げて言えば、
内容や主義主張の善し悪しを語る以前に、むしろ無意識の部分が核心だと思う。
正直、誤字脱字が多い人はいい加減だし(特に人の名前)
ネットスラングや略語や顔文字を多く使う人を、あんまり信用していない。
句読点も漢字カタカナも、全てセンスと価値観が表れると思っている。

なので、本を読んで、職業作家以外の何かの専門家が本を書いたという場合、
自分のセンスに合う人へはけっこう会いに行く。
(いやいや、会いたいから会えるという偉そうな身分ではないので、その人と会える機会や場所へでかけていく)
特にボディワークを専門としている人の言葉遣いにピンときたら
ワークショップを受けに行ってみるというように。
その中で自分の人としての好き嫌いの感覚と文章に対する好き嫌いの感覚は
ほぼ完璧に一致する、と思っている。

だいたい人間的に大好きな人の文章を見ても、
メールや気楽なSNSでさえも
「参りました!」と思う人ばかり。

というわけで、前置きが長いけれど、ある本の作者にコンタクトを取って
会いに行ってみた。

直接的な仕事に関わる相談事で、その人に会える窓口を見つけたのだ。
会ってみてびっくりした。
本当に、文章で受け取った印象のまま誠意と愛情が溢れたひとだった。
誰の紹介でもなく、初めて会って話をするだけで、ああこの人、あの文章とおんなじだ
信頼できる、と思った。
もちろん、話の内容も、こんなにも話早いのか!とあぜんとするプロフェッショナルぶりだったけど。

そのことは改めて詳しく書きたいほど魅力的だったのだけれど
とにかく、文は顔。という確信を深めた。
私の成長も、しろぐとシンクロなのだと思う。

あんなふうに、文と顔がぴったりと一致して、
言葉で信頼を得る人物になりたい。

憧れの人が、また増えた。