方法ありきじゃなく、想いありき「広報の仕掛け人たち」

2016-06-08 23.26.07

こういういかにも、な本はあまり読まないのですが、
広報のノウハウものではなくて、制作の裏側のストーリー。
現場(会社や行政)の担当者、またPRを担当した会社の担当者相互の取材で進んでいくので、
それはそれで面白く読みました。

ユニークなPRとその苦労話が数々紹介されていて、
電通と組んだスタバの期間限定店舗とか、
東京マラソンでのドールのバナナトロフィーとか、
たしかにアイディアマンで意外性があって、面白いけどさ、
苦労したんだろうけどさ、
ついSNSでシェアしたくなる仕掛けをうまく狙ってるけどさ、
なーんか、イヤなんですよね。

私がいいなーと思ったのは、川崎市の地域ブランディングーとくに社会福祉をきちんと実践している川崎市を打ち出した取り組みーと
東北大学&博報堂の「防災手帳」づくり
人道危機をどう伝えるかと悩んだ赤十字国際委員会の取り組み。

想いがはっきりしている。
やって来ている事に志がある、
その上で、それをどうPRするかという、順番。
やっぱりそこが大事だよ。

別に「言いたい事」が「販売促進」しかないのに、そこに奇をてらうなんて
スケールがちいさいというか、なんかそれに踊らされたくないぞ!と思ってしまうのが、
上記の電通案件の好きじゃない原因なのかも(笑)
と思うのでした。

パートナーと組む際「思いのある人と組みたい」
「実績は、あるに越したことはないけれど、なくてもかまわない。それよりもある課題に対して『こうしていきたい』という思いを持つ人と組まないとうまくいかない」
という川崎市役所秘書部の広岡真生さん。
「社会にもっと貢献する作品をてがけたいという大石さん(PR会社の担当者)に同じ志を感じ、この人なら!と思いました」
という赤十字国際委員会の真壁仁美さん。

今まさに、そういうふうに仕事をしていきたいと思っている私にとって、
人選は、本当に大事だし、妥協しなくていいのだな。
バズる方法ありきじゃなくて、思いありき、なんだな。
と確信をくれる言葉たちでした。

広報の仕掛け人たち PRのプロフェッショナルはどう動いたか [ 日本パブリック・リレーションズ協会 ]

価格:1,944円
(2019/5/24 08:56時点)
感想(0件)