テレビドラマ500字評「にじいろカルテ」

救急医療で活躍していた内科医真空(高畑充希)は、自身の難病により退職を余儀なくされ、自信を失った毎日。そんな時に過疎の村の内科医の募集を見つけ、病を隠して応募し、採用される。

熱烈な歓迎をする村民たちは変わった面々で、同僚の外科医師も看護師も一癖ありそう。着任早々の村民の事故の処置の後、真実を告白する真空を村民は暖かく受け入れる。

言葉で説明するとよくある設定に思えるが、気持ちよく笑えて泣けるドラマ。

 

特筆すべきは演出、映像、俳優のチームプレイの見事さだ。まるで演劇を見ているかのようなライブ感溢れる芝居。実力のある俳優が揃って、なおかつスタンドプレイではなくチームとしての和がある。その芝居の勢いを、映像がかなりアクティブに追いかけていて、芝居と映像が呼応しあい、ドラマに舞台のようなうねりを生んでいる。その中で、ポッと浮き上がるような存在感の高畑充希さんのピュアな芝居も素晴らしい。作り手のチーム全体の熱量を感じる。

 

愛される現代の童謡とも言える「にじ」が劇中歌われているのも、歌詞も含めて胸熱。

 

弱者への繊細な視点を、脚本家をはじめ、チーム全体で大事にしていると感じ、自分の弱さも肯定できるドラマだ。

木曜ドラマ『にじいろカルテ』|テレビ朝日