おむすびに祈りを込めて

森のイスキアの佐藤初女さんが亡くなった。
お会いするチャンスはとうとうなかったけれど、
彼女の本は私の食のバイブルの一つ。

おむすびの祈り 「森のイスキア」こころの歳時記 (集英社文庫) [ 佐藤初女 ]

価格:723円
(2019/5/24 09:03時点)
感想(9件)

体調がものすごく悪くかった10数年前、
何を食べたらいいのかもわからなくなった時に出会った本でした。

”お肉やお魚だけじゃなく、野菜にもお米にも命があって、
その命を活かすように、大事に、やさしく料理をすること。
野菜を切るときは、そのお野菜が痛くないように、丁寧に落ち着いて下ごしらえをして、
ご飯を炊くときは、そのときのお米が欲しいだけのお水の量を毎回じっと観察して量を決める。
おむすびは、塩はたっぷり、中がふわりと、外はしっかりとなるように握る(詳細割愛)
手からは気が出ているから、食べる人の心をほどくことができるのよ。”

頭でっかちな理屈じゃなくて、
身体を動かして働いて、人のために食事を作り続けて導いた法則。
命をいただくことへの感謝とともに、何かを特別に制限したり食べ過ぎたりする事のない、
自然な在り方を彼女から学んだ。
私は食事療法の東城百合子さんの本も読んでいて、実践では参考になるのだけれど、
思想としては、あれダメ、これダメ、これ食べたら病気になる、と言わない初女さんの在り方が好きでした。

えっと…優しく丁寧に落ち着いて料理が出来ているかと言われれば、
まっっったく、出来てませんが、
おむすび(だけ?)はおいしいと言ってもらえるのは
これだけは彼女の言葉を守って作っているから。
これからもおむすびだけは、心して握ります。

今日のお昼ご飯は、追悼のきもち。

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