エッセイ 5 10月 2024 美術館は問いかける 忘れられない出会いがある。薄暗い小さな部屋で、たった一人で対面したエル・グレコの《受胎告知》。見た瞬間、ああ、というため息がこぼれ、絵と出会うとはこういうことかと知った。 だから、仕事の旅の途中でふと倉敷に寄ろうと思い立ったとき、「あそこには大原美術館がある」と思うだけで心の中にポッと柔らかい光… 続きを読む