音楽が生まれるのを目撃する幸せ@谷川賢作ピアノソロ

お初の谷川賢作さんピアノソロ@公園通りクラシックス

もちろんいろんな場所でお名前を拝見していたし、
俊太郎さんの詩に曲をつけたものを子ども達の合唱で聴いた事もあるので、
とっても気になっていて、観に行ける機会を探っていました。

こじんまりとした30人ばかりがピアノをぐるりとアットホームに取り囲む。
なんだかホームコンサートのような趣きに、お客様は落ち着いた年代のお洒落な感じのいい方々。

なぜか受付の人がドリンクも一人で担当してるから、両方に列が出来ているのに、物販の人はのんびり見ているというのも、この雰囲気ならではのご愛嬌(笑)

谷川さんもTシャツで登場だし(笑)するする進むトークも、まるでマニアの知人から飲み屋で裏話を聴いているよう。いやこれは最高に楽しかったです。ピアノソロのコンサートは、ほんと身構えますから、私でも。

ジャジーなピアノソロでのいろんな曲のカバー(ご自身の曲を含む)は、心地よくはあったけれど、
「あ、私ジャズわからないかも。」といつもの迷路にハマりかけたとき、
後半、覚和歌子さんの詩に谷川さんが曲をつけた数作を、ご自身が弾き語りで歌った時、
パッと目の前が晴れました。

ああ、ようやく、谷川賢作さんと出会った。
ピアノも聴いて、お話も聴いたけど、あの瞬間、初めて彼の魂と会った気がしました。
詩が耳に入ってくる歌って実はとても少ない。
だけど、あれは歌じゃない、詞じゃない、確かに「詩」
歌い方はけしてシンガーのようでなく、もちろんクラシック歌手のようでもなく、
どうしてなのか、「詩」の朗読(いや、かなり素敵に歌っているのですが)
ピアノも楽曲も、決して言葉を邪魔しない、前面に出て来ない。
なんというか、音楽の力を過信してなくて、圧倒的に詩への敬意を感じるのですよね。
歌を聴いて、その詩を読みたいと思ったのは初めてかもしれない。

そして飛び入りゲストの寝占友梨絵さんとのセッション。
これがまあー素晴らしくて!
若くして、レトロな声と、絶妙な呼吸感、軽やかさ。それを迎える谷川さんのピアノのとても幸せそうなこと。
音を出し合えることが嬉しい!音楽そのものが嬉しい!というような二人のセッション、
この日の最大の山場。

アンコールでも再び登場したセッション。
とにかく、見知らぬ素敵な人に出会える事の喜び、
音楽が、そこで、生まれることの喜びを、お客さんも目撃できたのだと感じました。

谷川さんは、なんだか遊び相手がいる方が、素敵。
今度はDivaを観に行ってみたいな。