元祖スピリチュアルな人

シュタイナー入門 (講談社現代新書)
西平 直 / / 講談社

シュタイナーという人に興味があった。ずっと。
だって、私の好きなムーミン屋敷を設計した建築家のプロフィールには「シュタイナー建築を学ぶ」と書いてあるし、気になる教育やら、バイオダイナミック農法など、ありとあらゆる私の守備範囲でみかける名前だったのだ。
教育、農業、建築、演劇、様々な分野に名を残す人だ。

読んでみて半分納得半分唖然。
とても20世紀初頭に受け入れられるとは思えない、元祖スピリチュアル系。
神の存在や魂の存在の事を主体にしていろんなジャンルに幅を広げた人だったのだ。
今で言えば「江原さん」みたいな、もっと感覚を学問として追求した人。

私の印象だと、あれほど多ジャンルに広がりをもちながら、一つの芯を貫いているあたり、そして変人であるあたりは宮沢賢治そっくり。
生きた時代も共通だから、異端児も異端児だったろうが、ああいう特殊な人を生み出す時代背景に、興味がわくなあ。

この人の全貌を分かるにはまだ程遠いけれど、一つ一つの提唱は、私にとってすごく興味深いし、理想的。
でもその奥にさらにスピリチュアルな発想を持っていたことを知ったのが、今回の収穫。
もうちょっと突っ込んで知らないと、納得も批判もできない感じではあるけれど。

それにしても新書というのは、学術入門書だと私は捉えてきたのだが、最近は、エッセイか!と思うようなうすっぺらい内容のものが多くて困っていた。
多少読みにくくても、固くても、ちゃんと知りたい事を専門家が一般向けに書いてある、そういう文章は私は嫌いではないのに、みんなネットや雑誌のような文を新書にまではびこらせる。
今回は、新書らしい新書です。そのちょいわかりにくさにも、ほっとしました...


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