沖縄旅行記2

親戚たちと別れてから、私の一人旅のはじまり。
おばあの家に程近いホテルで一泊したあとは、とっても行きたかった、世界遺産に登録されている「斎場御嶽(せいふぁーうたき)」へ。
路線図を見てもちっともわからないバスに、たずねながら乗って行く。
それにしても、沖縄のバス、いくつか乗ったけれど、止まる前に扉が開き、閉まる前に走り出す。
ちょっと怖い。

斎場御嶽に無事ついて、石畳を昇り始めたとたん、あのねっとりとした暑さがなくなり、さらさらした空気に変わる。深い緑の中だからかなあ。
何だか甘くて気持ちのいい匂いもするので、どの花だろうとくんくん嗅いでみるけれど見つからず。
ウタキは、本当にひっそり静まり返って、あの三角の中は今までのどことも違う風が吹いていて、地形のせいだとは思っても、それだけでは説明のつかない不思議な雰囲気。

神様はいるかも。

でもそこで、写真のベストスポットとばかり、交代で中に入ってはみなさん写真撮っていらっしゃる。ビデオも。
あの風も感じず、匂いも感じず、帰って思い出すのは、写真を撮ったということだけになりそうで、景色が全て携帯越し、ファインダー越しになりそうで、私はどうしても撮る気にはなれなかった。
結局沖縄旅行中、会った人たちとの記念撮影以外、写真におさめなかったなあ・・・

ウタキからバス停への帰り道に一件のお店を発見。
といっても周辺に土産物店は皆無なので、そこしかないのですが。
入ってみると
「ごめんなさい、今仕入れの整理中で店やってなくて・・・でもせっかくだから見て行きます?」と女性が中にいれてくれる。
まっ先に目に飛び込んだのは芭蕉布の小物が置かれた一角。
「これほんものだ」と直感して、あまりにじーっと私が眺めていると、
「私の友達の芭蕉布制作者が作っています。那覇など街中には、ほとんど本物は置いてないと思います」とお店の女性。

そうなんだそうなんだ。だからなんだ。
写真と同時に、どういうわけか、いわゆるおみやげ屋さんでの購買意欲も全く芽生えなかったのだ。
初日那覇を歩いた時、昔は面白い物がもっとあったような気がしたのだけれど、どれもなんだか大量生産のチープなお土産の匂いがして、一見、「あっかわいい!」と手に持ってみるとどれもこれもワクワクしなくて、沖縄でいっぱいその土地の物買おうと思っていたのに、何一つ欲しくない。
残念だなあと思っていたのだ。

物とも一期一会の相性がある。その小さな店の一つの芭蕉布の作品に一目惚れしてしまい、私にしては大枚を叩いて自分用に名刺入れを買う。
ここ最近の中では本当に久しぶりに、「うわこれ好き!!」と思えて買い物をした気がする。
買い物は、こうやってしないと自分が貧しくなるなあ。
お店の人にお礼を言って、別れる。

そして、斎場御嶽に行ったらどうしても次に行きたくなってしまった場所へ急遽向かうことにする。
御嶽から嘘みたいにまっすぐ見える、神の島「久高島」。

もう少し、続きます


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