輪を描く

忙しい時に限って本を読む。
ちょっとした待ち時間、移動時間、寝る前、お風呂の中。

本を読む事は音楽を聴く事に似ていて、書く人のリズムと流れに体をゆだねることのできる、一番のリラックス。
いい本を読むと、体がふわふわと柔らかくなり、眠いような冴えたような不思議な状態になるし、合わない本を読むと、首が凝ったり、奥歯を噛んでいたり、どこかが緊張している。
音楽と一緒。
というか芸術作品はすべからく一緒。
頭で考えると、クラシックは分からないとか前衛は分からないとか、好きか嫌いかさえ分からなくなってしまうけれど、体の反応は一目瞭然。

そんなわけで、舞台に疲れたら本を読み、本に飽きたら音楽へ。音楽が疲れたらまた舞台へ。
自分の周りに小さな輪を描くだけの、ちっぽけで幸せな毎日。
全てに物語があふれている。

現在、はまりにはまった川上弘美と新しく三浦しをんを、寝る間を惜しんで読み途中。至福。


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